*スマイルごはん*を始めよう

地球も私たちも笑顔になれるごはんや暮らしのこと

「かああっ」となる奈良漬けをお茶請けに。

最近、無性に食べたくなった漬け物があります。

全く慣れ親しんでいなかった種類の漬け物が。

 

 

漬け物好きの我が家では食卓には必ず漬け物が並んでいました。

白菜、たくあん、ぬか漬け、らっきょう・・・あたりでしょうか。

 

母の実家が千葉の成田なので、鉄砲漬けというのもよく食べました。

中の辛い部分(鉄砲の弾の部分)を取り除いて、瓜の部分だけカリカリと。

これ、今も好きです。

 

家族や、親戚のだれかが地方に行くと、お土産に買ってきてくれるのが漬け物。

スキーにいけば野沢菜漬け、博多の出張みやげに高菜漬け、京都旅行では柴漬け

どこのおみやげだかわからなかったけれど、ごぼうの味噌漬け・・・

 

子どもの私は、新しい味に出会うたびに感激しました。

「おお、こんな美味しい漬け物があるなんて!」

一杯めは母の作ったおかずで、二杯めは出会ったばかりの漬け物でご飯をいただきます。

ご飯に漬け物のせて、海苔でまいてみたりね。

 

そんなお土産の中でも食べられなかったものもいくつか。

その中のひとつが奈良漬け

 

 

これはどうもなかなか・・・

大人でも好き嫌いが分かれるところではないでしょうか。

 

きれいに洗われていたら、見た目、しょうゆ漬け?と思わせる色。

好物の鉄砲漬けに似た味わいかと口に放り込んでみると・・・

あまい?

ん?

じゅわ〜っと舌の奥の両脇から唾液が大急ぎで出てくる。

鼻の奥に香りがふわ〜んと抜け

のどの奥がかああっと熱くなる。

 

うわー、きらい!

子どもなので、口からぺっ!

 

ということで悪い印象のまま、長い間食べてこなかったのです。

 

 

しかし。

ここ数日。

あの、「かああっ」ていうのが食べたいと思うように。

なぜだろう。

お酒はほとんど飲めない私。

実は体のどこかでアルコールを求めているのかな。

それならお酒飲めばいいのだし。

 

いやいや、違う。

あの、奈良漬けの「かああっ」というのを堪能したい。

お茶の時間に奈良漬けがあったら幸せなのに・・・

 

そう、一人お茶時間をたいそう楽しんでいる私。

和菓子もいいけど、漬け物もね。

お茶請けには漬け物という気持ちも強い。

 

お茶に合う漬け物ってさあ・・・

ちょっと甘くて、しょっぱくて・・・

ぬか漬けとはまた違う味がいいんだよね〜。

 

頭の中はお茶に合う漬け物のことでいっぱい。

あの甘さと刺激のある奈良漬けが食べたいっ!!

 

というわけで、いそいそとデパートの諸国名産コーナーに行きました。

 

どうぞ、添加物入っていませんように・・・

祈りながら袋の裏側を見てみると。

おお、入っていないぞ、添加物。

材料

瓜、みりん粕、酒粕、さとう、塩

これぞ私が求めていたもの。

 

あの甘さはみりん粕からきていたのね。

それにしても醤油も入っていないのに、あの色って?

純露(飴。知ってる?)の濃い方の色だよね。

麹菌のなせる技なのか・・・

 

調べてみたら、元は白い酒粕を樽で熟成させて茶色くなってから使うとか、何度も何度も漬け直したりすることでこの色になるのだとか。

 

漬け物というと、ちょっと作ってみたくなる私。

しかし、これはかなり手間がかかりそう。

家では作れまい。

 

ここは買うのが一番!

家に帰って、さっそく。

酒粕をかるく落として、薄く切り・・・

 

そうだ、なんのお茶にしようか。

この個性に負けないぐらい濃いめのお茶・・・

緑茶系ではなく鍋でしっかり煮出した三年番茶にしよう。

 

 

甘い?

ん?

じゅわー。

ふわ〜ん。

かああっ・・・

 

いやー、これこれ。

好きだなこれ。

 

私、大人になったのね。(年齢的にはかなり大人。)

 

奈良漬け。

これはスウィーツの世界で言ったらチョコレートだね。ボンボンショコラみたいな。(今もこういう呼び方するのかな?)

すごく濃厚で満足。少しで充分というところが。(チョコはいくらでも食べられるという方もいると思うけれど、私はひとかけらあればいい。)

 

奈良漬けとの再会でお茶の時間がさらに楽しく。

 

日本の漬け物めぐりの旅、いつかやってみたい。