母の鰹節削り器
ずっと欲しかったもののひとつに鰹節削り器があります。
買おうかな〜、でも手間がかかるしな〜と買うまでにはいたりませんでした。
先日、実家にいったとき、母に買おうかどうか悩んでいると相談すると、「もう使わないからあげるわよ」とのこと。
母は料理好きで、まめにいろいろな物を作っていました。
ぬか漬け、味噌作り、らっきょう漬け、ジャム作り。
白菜漬けや沢庵づくり、干し柿などは、父との共同作業で作っています。
鰹節も若い頃はほぼ毎日、鰹節削り器を使い、小気味よい音をたててけずっていました。
私も兄も何度か,手伝ったこともあります。鰹節は削って使うものだと思っていました。
そんな母も、最近体調を崩してしまい、手のかかる料理はあまり作らなくなったといいます。
鰹節も削った物を買ってきて出汁をひくようになっています。
母の年齢とともに、お役御免になった鰹節削り器。
私が譲り受けることにしました。
この鰹節削り器は、母がお嫁に来るときに、母のお父さんからつくってもらったそうです。
つくった。
すごい。
昔の人はいろいろなものを自分たちでつくっていたようですが・・・。たまたま、祖父が器用な人だったのでしょうか。
母は「4人姉妹の中でも私だけもらったのよ」とちょっと嬉しそうにいっていました。
祖父の想いと、母の想い。
母は、鰹節を削るたびに、実家のことを思い出していたかもしれません。
そして、私にとっても、私の実家の思い出のつまったとても大切なものになりました。
物にも命があると感じます。とてもいいものをもらいました。